FXの東京市場のトレード戦略 東京時間の値動きや仲値について解説

FXの取引が活発な時間帯は主に「東京時間」、「ロンドン時間」、「ニューヨーク時間」の3つですが、一番身近なのは東京市場ではないでしょうか?

そこで今回は、東京時間の値動きや特徴、イベントを紹介しながら、トレード戦略も紹介したいと思います。

さらに元外銀ディーラー山中が、東京時間の歴史や体験談についても話しております。

※この記事は「FXの東京市場のトレード戦略|東京時間の値動きや仲値について解説」の内容を、わかりやすく編集したものです

「ロンドン時間」の記事はコチラ(執筆中)

「ニューヨーク時間」の記事はコチラ

FXの東京市場とは

FXの東京時間は、日本時間の8時~16時のことを指します。

日本以外にも香港やシンガポールなど、アジア圏に住んでいる人たちも取引に参加してくる時間帯です。

欧州時間やニューヨーク時間に比べ、取引量は落ちますが、円やオセアニア通貨の値動きが比較的活発になる傾向があります。

取引量が落ちることもあって、為替レートが自主的に力強く動くということが比較的少ないのが特徴です。

さらに同じ時間帯に取引されている日本株や米国のNYダウ先物などの株式市場の影響を受けやすいのも特徴としてあります。

ですので東京時間を取引する際は、日経平均株価の値動きも注目したほうが良いでしょう。

FXの東京市場の4つの重要イベント

まとめ

ロンドン時間やニューヨーク時間と比べると、取引量の少ない時間帯ではありますが、その中でも注目したいイベントを4つに分類してみました

 

1)仲値とは

金融機関が顧客と外国為替取引を行う際に基準として使用するレートのことで、TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)とも言います。

午前9時55分の為替市場のレートを参考に、各金融機関が独自に仲値を決定します。

小口向けに1日変更しないで良い価格として仲値があります。

もっと詳しく知りたい人は記事「仲値の詳細」をご覧ください。(現在執筆中)

2)ゴトー日とは

毎月5日、10日、15日、20日、25日、30日のように5と10の付く日をいいます。

取引先に支払うドルが大量に必要になることから、ドル円を中心に短期的にトレンドが発生しやすい傾向があります。

3)東京市場の午前

10時15分には中国の人民元基準値レートの決定があります。

人民元の一日の変動幅は基準値から2%しか動きませんが、人民元が一方向にレートが動き続けた場合は、気にする人も出てくるので他通貨に影響が出ることがあるそうです。

中国の中央銀行である人民銀行などの思惑も絡んでくるので、注目度は比較的高いと言えるでしょう。

4)東京市場の午後

東京時間の午後は特に大きな材料が無く、値動きが比較的落ち着きます。

その中でも、注目していただきたい指標は、14時に発表がある、投資信託の基準価格の決定です。

前日のドルの動きから投資信託の動きを読んで、銀行が取引する場合があるので、14時前後に動きが出ることもあるそうです。

15時には東京オプションカットというイベントもあります。

通貨オプション取引とは〜ある特定の通貨を、予め定められた期間または期日(権利行使期間)に、予め定められた価格(権利行使価格)で、買う権利または売る権利を売買する取引。

東京市場で取引される通貨オプションは15時に権利行使を最終的に締め切るのですが、
締め切り時間である15時と、ストライクプライス(権利行使価格)が近いと、オプションディーラーは取引に悩んでしまうため、上下に価格が振れることがあるそうです。

では実際に戦略をみてみましょう。

FX東京市場の戦略


前述した内容を踏まえて、東京時間では月末やゴトー日を狙った仲値の実需トレードでの順張り手法がオススメです。

ゴトー日などは輸入業者の決済需要のため、円安ドル高になりやすいと言われています。

しかし、必ずその方向に動くことはないので9時30分以降の動きを見て判断しましょう。

仲値自体は9時55分に決定されますが、9時30分頃にその日の仲値の傾向が見えてきます。

特に月曜日の仲値は順張りトレードが有効のようです。

しかし、お休みした日数分の取引が溜まっている、ゴールデンウィークのような大型連休明けの仲値には注意が必要です。

さらにもう一つ注意しておきたいのは、FX業者等が提供するニュースツールで、仲値の余剰や不足について記載していることがありますが、すべての銀行に取材が出来ないので、大きく外れていることもあるそうです。

鵜呑みにしないよう気をつけましょう。

昔の東京市場


現在は東京時間の為替市場は、午前8時から開始されます。

しかし東京の株式市場が9時から始まるように、昔は日本の為替市場も午前9時から始まっていました。

1980年代頃は、午前9時1秒に日銀から、本日の公式寄付レート発表がありましたが、いつしか発表しなくなり、自然消滅したそうです。

ですので昔のディーラー等は、東京市場の開始は午前9時だと決めつけている人もいるので、勘違いしている方も多いです。

しかし、その決めつけもあながち間違いではなく、株式市場と為替市場の寄り付きが同じだと比較しやすいというメリットがありました。

ですので、NY時間終了から東京時間が開始される時間のギャップが、夏時間が3時間、冬時間は2時間となりますが、そのギャップの時に付けた特殊なレートを、後から(東京時間)埋める動きをすることがあったそうです。

【まとめ】


東京市場のイベントまとめ

午前8時:東京時間開始
午前9時:東京株式市場開始
午前9時30分~:仲値に向けた思惑
午前9時55分:仲値決め
午前10時15分:中国人民元の基準値の決定
午後2時:投資設定に伴う売買
午後3時:東京オプションカット

※ゴトー日や月末、連休明けは変動しやすい

 

東京時間は欧州やニューヨーク時間に比べて、値動きや取引量が落ちるので、積極的に取引したい時間帯ではないのですが、月末の仲値やゴトー日での9時半以降のトレードは、比較的優位性の高い手法です。

仲値以降の東京時間では、10時15分に発表がある人民元の基準値決定14時の投資信託の基準価格の決定15時の東京オプションカットなどのイベントがありますので、上記の時間帯での取引には注意しましょう

もっと詳しく知りたい人は、この記事の参照動画「FXの東京市場のトレード戦略|東京時間の値動きや仲値について解説」をご覧ください。