ひろぴーメルマガ12月23日配信事例紹介

上海とシドニーの不動産市況が大幅悪化。IOローンは豪州経済を崩壊させるか?

先週末、中国の経営者とお話する機会があったのですが、上海の不動産価格が大幅に下落をしているという話になりました。
秋頃から急落をみせ、昨年の今頃と比較すると、30%前後の下落をしているそうです。
その後、住宅ローンを組んでマンション購入者から抗議デモも勃発しているようで、中国不動産市況もとこどころおかしくなりつつあるようです。

もしかしてと思い、他国をみてみたら、オーストラリアが完全にバランスを崩しておりました。
今年夏頃、豪・4大銀行の一つ、ウエストパック銀行が住宅ローンの金利を引き上げたことをきっかけてにちょっと強めに豪ドル安となりました。つまり、変動金利の上昇です。

少し気になっていたのですが、ようやく調べてみたところ、オーストラリアではInterest only LOANという、通称IOローンがここ数年非常に人気だったようです。

銀行から借りてきた資本をベースに、新築や高級住宅を購入し、契約年数だけ安価なローンを払って住みながら生活をするそうです。
その契約年数がながければ長いほど、金利を安く提供してくれるという仕組みでしょうが、からくりはこうです。

5000万円の融資をもらい、5000万円の住宅を購入します。
例えば、4年間の契約期間は低金利で借りられます。とはいいつつも、月間で10〜15万円程の金利返済があるようです。
しかし、ここ数年は中国投資家をはじめ、シドニー中心街の物件は、築30年以上の物件が100万豪ドルを突破している物件も多く(つまり1億円近い住宅が多かった。)、住宅やマンションを通常の賃貸で生活するには、家賃が15〜20万円かかるとのことでした。

つまり、銀行から融資をもらい、低金利の返済で高級住宅に住むことができ、そして、数年後、物件は値上がりをしているので、6000万円で売れれば、儲けは1000万円になるという意味です。
安く生活でき、しかも住宅価格の値上がりにより、運用収益をあげられる。
これはメリットしかないと思われがちです。

ただし、住宅価格が10%下落するとどうなるでしょうか?
5000万円→4500万円に値下がり、さらに5000万円分ローンを組んでしまったがために、売却すると500万円負債とそれにかかる返済ローンが残ります。
じゃあ、20%さがると、1000万円の負債に契約期間を終えると、高い変動金利がのしかかる仕組みとなり、返すに返せない状況になる罠があるのです。
すでにこの秋頃からオーストラリアはこの負のスパイラルに陥りはじめております。

まさに今年からオーストラリアの住宅価格は12ヵ月連続で落ち込んでいるようで、昨年と比較して10%以上の値下がりをしているエリアが大半になってきました。

これはバブル崩壊となるでしょう。
中国人投資家も物件を手放しますので、ますます景気が悪化する可能性があります。
オーストラリアの人口は2400万人程度なのですが、このIOローンは320万人を超えると推定されており、国の15%近くの人口がこのIOローンに手を染めているようです。

※上記、リサーチした後、住宅ローンを組んでいる人口は320万人、そしてのそのうちの50%近くがIOローンだということが判明しました。訂正してお詫び申し上げます。

今年の豪ドル円は1月は88円でしたが、現在は78円と10円もの値下がりです。
米中貿易摩擦の影響も大きかったのですが、それ以上に本国にもIOローンという、リーマンショックの引き金になったサブプライムローンの親戚みたいな投資商品が人口の15%も申し込みをしていたことになります。

おそらく、中国人投資家も物件を手放し始め、オーストラリアの住宅バブルは崩壊する可能性があります。
週明けはクリスマス相場ですが、豪ドル円の売り増しをしていきたいと思います。

もう少し、住宅市況についてリサーチをしておきたいと思います。

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